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働きがい改革セミナー②(セミナーその1)

今回は2019年2月初旬に実施された「働きがい改革セミナー」の様子をお伝えします。
第二部のセミナーでは『働き甲斐改革を成功に導くために』と題し、行政書士 友渕事務所代表 友渕 大 様に講演を戴き、
弊社からも『"働きがい改革"への取り組み』と題し、3名が講演をさせて戴きました。

  1. 第二部 セミナー①:『働き甲斐改革を成功に導くために』
    講師:行政書士 友渕事務所 代表 友渕 大 氏
  2. 第二部 セミナー②:『ネクストリンクスの"働きがい改革"への取り組み』
    講師:ネクストリンクス株式会社
■セミナー①:『働き甲斐改革を成功に導くために』
講師:行政書士 友渕事務所 代表 友渕 大 氏
■働き方改革の概要とその背景
景気拡大の報道がされてはいますが、足元の経済はまだ足踏み状態だと言えます。
ではその原因は何か?という事で次の3つが原因として挙げられています。
『深刻な人手不足』
日本の人口が減少の一途を辿っており、労働者人口も下がる一方です。
今後35年間で2500万人の減少、2060年代には労働者人口4000万程度になるというデータもあります。
『長時間労度の常態化』
過労死など長時間労働に起因する問題で、労働環境を改善しないと労働力が確保出来ないという問題があります。
『国際的に低い労働生産性』
日本の労働生産性は国際的に見ると非常に低い水準で OECD(経済協力開発機構)のデータによると日本は21位だそうです。

以上の3点が日本の働き方と密接した関係にあり、これらを改善する事が経済を成長させる為の対策の1つになると言われています。
何から手をつけるのか?という事で政府が挙げている切り口が2点あります。
『生産性の向上』
投資、イノベーションの促進によって生産性の向上を促すとされています。
投資の内容は「労働者の技能の向上に関する投資」、「企業の設備投資を促す投資」が挙げられています。
「イノベーション」については付加価値の高い産業への人材のシフトを促す事で生産性の向上を図るとされています。
『人手不足の解消』
長時間労働の環境を是正し、柔軟な働き方が可能となるような環境を作る事で労働参加率を高めてゆく。
例えば、主婦の職場への復帰、労働環境を整え、高齢者や障がい者にも労働者としての参加を促す。

この2点の大きなオペレーションで経済の上向けて行く。
「働き方改革」という施策をもって経済成長をして行こう―。というのが「働き方改革」が生まれた背景となっています。
■働き方改革に伴う法改正
働き方改革関連法の主な改正点と業務上の注意点という観点で下記の項目について解説をして戴きました。
  • 『時間外労働の上限規制の法定化』
  • 『雇用形態に関わらない公正な待遇の確保』
    • 派遣先事業者の派遣元事業者に対する賃金等の待遇に関する情報提供義務の創設
    • 派遣元事業者に派遣先労働者と均等・均衡待遇の法定化
また、法改正、規制に対して各企業がどんな部分から手を付けているのかというお話も頂きました。
─こう言った法改正、規制に各企業がどんな部分から手を付けているかという情報も提供されています。
  1. 労務・人事面
    人材育成、健康管理の充実など、ソフト面の部分に手をつけられている企業、
    定年の廃止、延長、人事評価制度など制度面に手をつけられている企業もあります。
  2. 業務改善
    IT機器やシステム導入、業務の集約化など内部の仕組み改革、
    取引先、顧客の理解を求めるといった交渉の部分から着手している企業もあるようです。
  3. 経営・事業
    従業員、管理職の理解を得る残業の是正など啓蒙活動活動に取り組んでいる企業もあるようです。
規制等が厚くなり、企業にとっては非常に負担感もあり、義務的にやらなければいけないのではないか?と、後ろ向きに感じてしまうのではないかと思います。 そうは言ってもやらない訳にはいかない。 実施する場合、相当な時間、労力、お金が掛かってきます。
逆に投資をして実施するのであれば、企業が抱えている課題をここで一斉に大掃除をするチャンスでもあるという捕らえ方もあると思います。 この機会にしっかり将来を見越し、将来を俯瞰した上で本気の改革に取り組む。そういう機会にして戴いたらどうかと思います。
■近い将来の経済、労働環境
近い将来の経済、労働環境といった観点で市場のデータをもとに、
「人材需給」「2030年の地域経済のあるべき姿」というテーマで非常に興味深いお話をお聴きできました。
■人材需給
非常に深刻な人手不足の状況にありますが、 人の仕事がAIやロボットに置き換わっていく事で2020年の後半には人が余ってくるというデータも出ています。 注目すべきは、専門職人材、高付加価値業務に携わる人材が170万人不足すると言われています。
例えば、生産性の向上等で業務の効率化を進める、それと同時に社内で専門性、高付加価値業務に耐え得るような人材の育成も 計画的進めていかなければ、現時点で生産性が向上したとしても 将来、高付加価値の事業、新しいビジネスに取り組むと言った時に外部からの人材の調達が困難になると言う事です。 そこで会社の成長が低迷してしまう可能性もあります。
経営の方向性、人材育成の方向性について、育成の対象となる社員の方と時間を掛けた議論をし、 社員の意識改革等も含め、前向きに取り組んでいく事が重要だと思います。
■2030年の地域経済のあるべき姿
現時点でも顕在化していますが、デジタル技術の発達等によって今後もますます、経済活動が場所に縛られなくなって行きます。
言い換えれば、ボーダレスに人もお金も動く状況です。
逆に言うとこれは地域の経済にとって追い風が吹く可能性があるという事です。
人材力、起業力、地域力の3つの要素について指数化し纏めた「地域イノベーション力指数」という評価基準があります。
その評価において2030年までの中期展望では長野県は上位7内に入っています。
中でも「地域に人や企業を惹きつける魅力があるか」という「地域力」はAランクに入っています。
特に長野県はこれから転入してくる企業、人材が増加する可能性があると言えます。
地元に根差している企業、人材の方々にとって見れば新しいビジネスが生まれて来るチャンスが近い将来くる可能性がある。
新しい潮流への備えという事を、今、しっかりやっておくという事が必要となってきます。 新しいビジネスに対応できる企業としての対応力やフットワーク。これを会社全体で見に付けておく必要があると思います。
松本山雅さんの「One Soul」ではないですが、会社の経営が風を捉え大きく舵を切った時に、 社員の皆さんがしっかりとそれを理解して同じ方向を向いてくれるかどうかが非常に重要です。
そういった事も含めて経営の方針を立てて行く必要があると思います。
①多様な能力や人脈、経験を持った人が地域に関わること(人材力)
②アイデアや技術をビジネスにつなげやすい環境があること(起業力)
③地域に人や企業を惹きつける魅力があること(地域力)
これらが地域のイノベーション力を左右する。
参考URL
https://www.mri.co.jp/news/press/teigen/027615.html https://www.mri.co.jp/news/press/uploadfiles/nr20180709pec_02_3_point4.pdf
■今後取り組むべきこと―。
時間と労力を掛けて単に法改正に対応していくだけではなく、 積極・果敢に現状やその延長線上にある様々な問題、課題を変え、解決していかなければいけないと思います。 社員さんの意識改革を含め、正に企業風土そのものを変えていく必要があるのではないかと思います。
生産性の向上を求めて行くにあたっては、個々の意識改革、高付加価値を生む人材の確保する為には 人材育成への投資に積極的に取り組む必要があると思います。
新しい潮流に乗る備えという事で、自社の有り様(ありよう)を改革、古い体質の改善などを積極的にやる必要がある。
企業と人を巻き込んだ風土改革が必要になってくると思われます。
大きな投資を決断されるにあたっては、自分、会社の将来像や改革の目的を整理し、組んで頂ければと思います。
──本日はご静聴、ありがとうございました。
以上、「働きがい改革セミナー」第二部 『働き甲斐改革を成功に導くために』の模様でした。
働き方改革の背景、法律に関するお話、市場データを基にした中期展望と、多岐に渡る興味深いお話をお聴きする事が出来ました。
講師の友渕 大 氏様、誠にありがとうございました。
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